書道道具について

筆を洗おう

書道道具について
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大人だけでなく、小学生でも、上達してくると、筆の手入れが一番気になるようです。

先日、お稽古で、「どうしても筆の根元に固まってしまった墨が落ちない」と小学生から相談を受けました。
その受講生が通っている小学校では、筆は洗わないと指導を受けたが、筆を洗わないと墨で筆が固まって書きにくいから、洗いたいとのこと。

筆が墨で固まってしまったら、書きにくいのは、当たり前です。
特に、最近の墨汁は、何度も使用しているうちに、墨汁が固まり、昔の墨汁と異なり、洗い落としにくい傾向があります。
また、洗濯でおちる墨汁などは、筆が青く染まり、気になるようです。

最近の墨汁をきれいに洗い落とすには、ぬるま湯で洗うしかありません。
熱湯で洗うと筆を痛めてしまうので、熱湯は避けましょう。

根気よく洗うしかありません。
そして、少し、毛の根元をつまむように洗いますが、これは、小学生にとって、少し難しいかもしれません。
洗い終わったら、吊るして乾かします。

先に書いた小学生は、お風呂で何度も洗った。次の週は、一晩、水につけて洗った。
その次の週は、一週間の間に何度も洗った。
それでも、きれいになっていないと思うので、他の方法はありますか?

毎週、毎週、本当に頑張って筆を洗ってきた小学生は、困り果てた顔で、私に向けたその目は、真剣で、「こんなにやっても何できれいにならないの」と、訴えていました。
そこまで、懸命に真摯な態度で訴えられると私の方もキューンとなり、どうにかしてあげたいという気にさせられます。しかし、教室では、受講生が一人ではなく、筆を洗ってあげる時間がありません。
細かく、説明していると、遠巻きに聞いていた他の小学生も、集まってきて、筆の洗い方をいちから説明することになりました。
説明を終えると、困っていた小学生は、
「もう一度、洗ってくる。」
と、力強く一言。

さて、来週、きれいになっているかな。