書道において、何をどのように書くかが、書き手にとって、最も重要な選択となる。そのうち、今日は、「何を書くか」についてです。
何を・・・
「何を書く」これは、何という文字を書くかということ。どんな言葉を選ぶのかは、大人であろうと、子供であろうと、書き進める上で、モチベーションが大きく変わってくる。そして、誰かに観てもらうために書くとき、観てもらう人のことも考えて何を書くのかを決める。
子供たちは、素直に多くの場合、親または祖父母、つまり、おうちの方に観てもらうために、どんな文字にするか選ぶ場合と、純粋に自分が書きたい文字を選ぶ場合もある。
大人の場合、子供と同様、書きたい文字を書く場合と、観覧者のことを頭に巡らせて何を書くかを選ぶ場合がある。
結局、選んだ言葉こそ違うものの、子供も大人も同じように迷い、程度の違いこそあれ同じように書く文字を選択する。
子供たちに、
「好きな文字を書いていいよ」
と、声をかけると必ず一人は、ママの名前を書く子がいる。
好きな文字を書いていいと言った手前、そのまま書き進めてもらうが、おうちにもって帰り、ママは、喜んでくれるといいなーといつも願う。中には、
「遊んでいたんじゃないの?」
と、不安に思う方がおられるからです。
話をもどして・・・
何を書くかによって、子供の場合は、書道を楽しむことを覚えていくように思います。同時に、机に向かい、字を書くことの楽しさ、楽しいから、習慣化できるように思います。
大人の場合、やる気、結局、モチベーションにつながるのでしょうね。
好きな言葉だと表現したいことが頭に浮かぶのでしょうね。楽しそうな様子がうかがえるような気がします。
もう一歩進んだ方は・・・
書道の作品として、何を書くか。
書いた内容を含め、作品に名を入れる以上、責任が生じます。名を入れたら最後、何を書いたのかわからないでは、困りますね。
自分が書いた文字についても、理解しなければなりません。
正直、臨書の場合は、どうなんだ。と、声が聞こえてきそうですが、釈文は手元において、理解に努めることくらいは、すべきだと思います。