小学生が書道以外の質問をもって、お稽古に来ているときは、遠慮しているのか、たいていの小学生は硬い表情をしている。
少し前になるが、かわいい相談があった。
小学生「シャーペンってどこで売ってますか ?」
私 「突然、どうした ? 自分用のシャーペン ? 」
質問されて、小学生は、頭を左に傾けて、少し固まった表情をしている。
小学生「うーん、シャーペンは、○○(近くの具体的な店名)で売ってますか ?」
私 「そのお店で、売ってるかどうか、知らないけど、文房具を扱ってるスーパーとか、100円ショップでも売ってるよ。」
小学生「それは、わかるけど、一人で行けるところで、売ってるとこありますか」
私は、おうちの人に内緒で買いに行くなら、きっと、何か切羽詰まったことを抱えているに違いないと、思いました。それでも、冷静に、いつも通りに、たずねてみる。
「おうちの人に内緒で、どうしてもシャーペンを買いたいの ?」
小学生 「うーーーん。お母さんに聞いたら、欲しいって言ってたから。」
私 「お母さんは、欲しかったら、自分で買うんじゃないの ?」
この後、私は、子供心に気が付くのに、時間がかかってしまったことに反省する。
話をよく聞いてみると、ある日、小学生のお母さんが愛用のシャーペンで字を書いていたところ、その「シャーペンの調子が悪い」と言い、「そろそろ買い替えないといけないなー」と口にされたという。
もうすく、お母さんの誕生日だから、おこずかいで買ってあげたいなーと思ったが、お父さんに相談すれば「そんなの買わなくていい」と言われそうだから、一人で買いに行くか、お父さんにお店の前までついてきてもらって、黙ってシャーペンを買えるお店を知りたかったということだった。
そして、小学生が言っていたお店でシャーペンが売っているのか、他の受講生にも聞いてみた。他の小学生が話している店を私は、わからなかったけれど、解決したようだ。
数日して、「シャーペン買えました。」満足そうに報告があった。
お母さんには、喜んでもらえたのだろう。小学生は、自信に満ちた表情をしていた。
また、ある日、突然、
「花って、何円くらいするの ?」
「花屋さんで小学生にも花売ってくれる?」
小学生がお花が好きなお母さんに花をプレゼントしたいと相談だった。
小学生は、お母さんが大好きなんだよね。
口では、文句ばっかり言ったりしてしまうけど、母の日が近づくと、「半紙一枚ください」とか、「今日の半紙の一枚で手紙書いていいですか」って、小学生が何人かいます。そう、母に手紙を書くためです。
筆で書いた手紙は、なかなか受け取る機会が少なくなっているので、とても良いアイディアだと思います。
中には、お母さんがうれし涙を流す姿を想像して、鼻をすすりながら手紙を書く小学生もいます。
かわいい限りです。そんなときは、そっと遠くから、何も見なかったことにして見守り、私からは、何も聞かないことに決めています。後で、ママが・・・お母さんが・・・なんて、報告があれば、もらい泣きすることもあります(笑)
実は、お父さんのことも、小学生は、よく見ています。
単身赴任中のお父さんに手紙を書きたいから、半紙が欲しいと言ってくる小学生。お父さんの話も実は、お稽古でいろいろと聞きます。圧倒的にお母さんの方が多いけれど、それは、またの機会にします。