書道教室に通う目的の第1目的は、美しい文字を書きたいということだと思うが、第2の目的となると、精神性についておっしゃる方が多いように思う。
書道教室を運営するまでは、そのことをあまり深く考えてこなかったが、確かに、精神力を養う。
字を書く。
ただそれだけのことだか、一枚書き上げるまでに、必ず、失敗がつきまとう。最後まで、書き進めるだけで、忍耐力が必要になる。
書き上げた作品をお手本と見比べれば、自分自身の嫌な部分、認めたくないような誤りも認めざるを得ない。その繰り返し、我慢強さを養うだろう。教室に通い始めの小学生の中には、切れやすい子、逆切れする子もいる。更に、添削を受けるとき、プライドが高すぎると傷つけられたと誤解する子もいる。
それでも続けていくうちに、穏やかに、のびのびした線を引くようになっていくものだ。
今井凌雪先生は、「化ける」という言葉を使っておられたが、ある日突然にその「化ける」瞬間がやってくる。
習い始めたばかりのうちは、上達実感できなかったり、その「化ける」瞬間を待てない、その存在を信じられなかったりする。あと、ほんの少しの時間、もう少しだけ、頑張ってみれば、結果が目に見える瞬間がやってくる。その瞬間に気が付いて、みんなが実感できますように。