お手本つれづれなるままに書道について

子供をほめるときに気をつけたいこと

お手本
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最近は、褒めて育てることが当たり前になりました。そのせいか、子供たちは、常に、褒められることを期待しています。同時に、残念ながら、打たれ弱い子供が増えたように感じます。親や大人が子供に嫌われることを恐れるように見受けられることもあります。

ここ数年、ほめ方について、何度も考えさせられることが、ありました。
子供が自分自身でほめられるレベルに達していないとわかっているタイミングでただ、ほめられると、シラーっとした顔をします。
しかし、具体的に、なぜ、ほめられているかを子供に理解できる言葉でちゃんと伝えれば、ぐぐっと、くいついてきます。
子供は、正直でわかりやすいですね(笑)

毎日、見ている親は、そう毎日、ほめてばかりいられない。と、思われる方は、正解です。思われている通り、毎日、ほめる必要がないと私も思います。

問題なのは、
ほめる必要がないのに、ほめること。
ほめるときに、過剰にほめすぎること。

特に、親がそうなると、子供は、満足します。心は、満たされるでしょうが、成長するチャンスを失うことになりかねません。
出来ること、出来ないことの判断がつかないうちは、何でもほめることで、どんどん成長するでしょう。しかし、ある程度、出来たかどうかの判断がつく年齢になれば、やれば出来るようになることや積み重ねなければできないことを知らなければなりません。もう、それは、挑戦の連続で、とても大変なことでも乗り切らなければならないのです。どうしても、無理だとなれば、あきらめることを覚えればいいのです。ほめられすぎると、極端に失敗を恐れるようになります。そうすると、ほめられて成長したおかげで自己肯定感は、とても高いので、失敗を隠すのです。自らも、失敗と向き合いたくないから、見なかったことにするのです。これらは、ほめすぎる弊害ともいえるのではないでしょうか。

駄目なものはダメ。
良いものは良い。

そう、ちゃんとわかったうえで、自己肯定感を高めなければ、書道だけでなく、何をやっても同じことではないでしょうか・・・・・。

書道のお稽古は、自分が書いた字を何度も繰り返し、お手本と見比べて判断しなければ上達は、ありえません。時に、自己否定にまで、至ることもあるでしょう。だから、書道教室の先生がいるのです。自己否定に至る一歩手前で、先生は、助言するはずだからです。上達したことを実感できないのは、自らの目が上達とともに厳しいものになるので、終わりがありません。しかし、ある日、突然、周りの人から、お褒めの言葉を頂戴することがあります。書道で上達を実感し、達成感を感じることが、はじめの一歩かもしれません。

書道以外のことでも、自分自身で、自分を見つめることが出来なければ、成長は、ないと私は思います。だからこそ、失敗は、とても大切な経験なのです。それは、失敗として終わらせない一つの方法でもあります。

何が何でもほめようとする必要性は、ないと思うのですが、みなさんは、どう思われますか?