私にとって、張猛龍碑は、臨書するたびに印象がかわる古典のひとつです。
まだ学生のころ、たまたま部室にあった名品叢刊からを手に取ったのが、張猛龍碑だった。手に取ったので、臨書してみた。
はじめは、思い入れもなく、楷書であったこと、当時、縦長の造形を好まなかったこともあって、張猛龍碑を何度も臨書していた。
「起筆で十分な力を蓄えて筆を運ばねば、へらへらした弱弱しい字になってしまう。」
そんなことばかりが気になっていた。
様々な古典にふれてくると、張猛龍碑には、伸びやかさがあると感じるようになった。
最近、臨書していて、ふとした瞬間、気になったのは、
リズムだった。
一定のようで、一定とは言い難い、心地よいリズム、ストローク。
みなさんは、どうですか?
碑は、拓本を見ても、線質そのものを見ることができません。
その分、これまで学んだ線質を自由に想像し、あてはめながら、
臨書するしかありません。
だから、自由度が高いという見方も成り立ちます。
どんな線質を想像していますか?
下画像 二玄社 中国法書選23より
実は、長い間、「ちょうもうりゅうひ」と読み誤っていた。
正しくは、「ちようもうりょうひ」である。
今回、ブログ更新に合わせ、事前に調べようと思っていたのだが、
結局、事前準備は出来ないで、今になって、手元で新字源を引く。
「りょう」は、漢音。
今後、ちゃんと調べねば・・・・・・。
この類、意外と
「理由は、わからないが、昔から、そう読まれている」
が結論だったりする。
今回は、どうなんでしょうね。