書道作品は、みなさんがご承知の通り、紙に筆で文字を書きます。
この文字を書くことが、皆さんが想像しているより、
私は、難しいことのように感じることがあります。
何を書くか。
作品として書きたい言葉があればいいのですが、
依頼がある場合は、別として、
書きたい線が先に決まっていることが多いので、
書きたい線について、
どの文字を用いて表見するのかを決める必要があります。
しかし、書を学び始めたばかりの方や、
気軽に書を楽しもうと思われている方にとっては、
何を書くかが最も気にかかるところであろうと思います。
漢字の場合、漢詩、仮名の場合、俳句や和歌が一般的でしょう。
そのようなところから、手がかりを見つけ、書きたい文字を決めましょう。
書きたい文字が決まったら、
一度、じっくり考えてみませんか。
どんな線を引きたいのか。
どんな線で作品にしたいのか。
私は、書道の作品において、最も大切なのは、
どのような線で構成されているのか、
その為にどのように余白がとられているのか。
こればかりは、書道センスが必要なのかもしれません。
そうすると、センスがない場合、どうすればいいのでしょう。
センスは、確かに、先天的なものもあるかもしれませんが、
多くの場合、後天的に見につけられるものだと考えられます。
では、その為には・・・・
優れた作品をたくさん観る。
優れた古典を鑑賞する。
目を養うこと、これしかありません。
鑑賞力、観察力が優れることで、
腕、技術の向上につながるのですから。
なんだかんだ言っても、書は、一発勝負。
動かしだした筆を途中で止める訳にはいきません。
運に任せ、
時には、スーッと気を抜いて、
大威張りで、筆を運んでみるのも良いかもしれません。