越の国の王、勾践(こうせん)の剣の文字(下の画像)をご覧ください。
釈文 「越王勾(古代字→鳩)践(淺)自作用剣」
剣としても有名ですが、文字も魅力的だと思われませんか?
甲骨文字から、装飾性を帯びた時代、春秋戦国時代のものです。
この文字は、鳥蟲書(ちょうちゅうしょ)、鳥書(ちょうしょ)、鳥蟲篆(ちょうちゅうてん)、鳥篆(ちょうてん)などと言われ、篆書に分類されます。
筆で、この文字を書くことは、相当の熟練者でなければ、書きこなすことができないことは、容易に想像がつくでしょう。
形だけをまねて、楽しむには、結構な話ですが、鑑賞に堪えうる作品に仕上げるには、線質を高められた人でなければ、なりません。
装飾性が高く、篆刻作品にする方もおられるでしょう。
しかし、これも、熟練者でなければ、布字が難しいですね。
甲骨文字の時代から、なぜ、こんなに装飾性の高い文字が生まれたのでしょう。
美の追求、結論は、これにつきるように思われます。
みなさんは、どう感じられますか?