お笑い芸人さんの一世を風靡するネタは、ほとんど小学生から教えてもらうことが多い。
ネット上では、様々な解釈があり、聞いていて戸惑うが、今は、「ちょっと待って、ちょっと待って・・・」が大流行のようだ。
運営しているきょうほ書院の天満・堀川教室は、小学生が比較的多いので、時間によっては、席数が不足しがちである。
夏休み中は、特に、学年に限らず、開始から一二時間は、席数が足りず、硬筆のお稽古を終えて、少し敷地内の公園で待機し、毛筆のお稽古をしてもらうことがあった。
「ちょ ちょ ちょ ちょ ちょ ちょっと待って、ちょっと待って、毛筆練習」
待つことも楽しんでくれたので、今年は、小学生に救われたが、
来年は、様子を見て、夏休み期間中は、何らかの手段を講じなければならないかもしれない。
この教室は、私の予想をはるかに超えて、進化し続けている。
書道教室は、先生の強烈な印象で、どの教室も統一された運営をされる先生もおられる。一方で、各教室ごとに異なる雰囲気の書道教室運営をされる先生もおられる。このケースは、基本的に受講者が主体の教室である。
私は、教室運営は、通っている人によって影響をうけると思っているので、自身が運営する教室は、当然ながら後者で教室ごとに雰囲気は、全く異なる。
書道は、個人の技能向上を主眼としてる。そのため、受講風景は、個人主義であることが多い。しかし、天満・堀川教室は、受講者が集団化していて、隣に誰が座っていようと、同じ目的を見つけ、最大限に楽しもうとしている。一見、さわがしく、手の施しようがないように見えることもあるが、一人一人、それぞれが自分のタイミングで集中して書いている様子、大いなる向上心に関心することも多い。その向上心をみんなで共有しようとする雰囲気は、こちらが作ろうとして作れるものではないと感じている。
「みんなー、この筆使い、こうやったら、いい感じ」と、誰かが声を出すとみんなでその小学生の席に集まっている。
「もう一回、やってみてー」集まった小学生が口ぐちに言い出すとかなり騒がしい。
書道のお稽古にプラスになるものであれば、私は、受容することにしている。
しかし、小学生にすれば、私は、突然、怒るスイッチが入る人だという。
先日のお稽古で、厳しくコンコンとりつけた。添削しているところを邪魔し、自分に私の気を引こうとするからだ。
しばらくすると、何年も教室に通っている小学生が、はじめて怒られた子に怒られた理由を小さな声で説明してくれていた。
「先生は、一生懸命書道してる子の邪魔したら、めっちゃ怒るから・・・」
書道教室には、本来、持参する必要のないサッカーなどの審判が使用する笛を私は、持参している。
今の小学生は、笛を吹かれるとヤバイという共通認識があるようだ。
「三回吹かれたら、辞めてもらいます。」
去年、比較的、賑やかな小学生と話あって決めたルールである。
書道を辞めたくないという気持ちがなければ成立しないルールを自分たちで決めた小学生を、私は、誇らしく思う。
そして、この天満・堀川教室も自慢でき、かつ、未来にも通じる書道教室であると確信している。