筆で文字を書くことの魅力は、何だろう。
自らの手で文字を書くことも楽しいが、それが筆を用いることで、より楽しみが膨らむのは、何故だろう。
墨、紙、筆、一般には、日常でなくなってしまった道具のようにこの頃感じている。
今更~と、思われるかもしれない。
墨、紙、筆を筆記具として、今なお、使用している私にとっては、一般にそれらの道具が非日常であることを認識することだけでも、勇気のいることだった。
物ごころついた時には、書道があり、ずっと継続している。
毎日、食事をとるために箸を用いるように、時には、ペンや鉛筆と同じように、筆で文字を書いてきた私には、墨や紙、筆がいつでも手に取れる場所にあることは、特別なことではない。
しかし、硬筆で文字を書くために特別な練習は、しないが、毛筆で文字を書くために特別な練習を繰り返している。
なぜだろう。
やっぱり、楽しい、好きなんですね。この毛筆で文字を書くという作業そのものが・・・。
その為の練習も、準備も含めて、仕事と趣味の区別が出来ないので、どこまでが仕事で、どこまでが個人の楽しみなのか。
それすらもわからなくなっている現実は、マニアなのだと自分自身でも最近、認められるようになった。
そうすると、冒頭にも書いたように、不思議でならない。
何故、そんなに続けられるのだろう。
世の中には、言葉で説明できないことも少なくないが、書道の魅力もそこに含まれるのでしょうか。
わからないことをわからないままに、努力して意味があるのかと自問自答することもあるが、そうやっているうちに、いつの間にか、どんどん深いところに来てしまって、書道を楽しいと思っている方々と接しながら、更に、深みにハマっている。
それが現状かもしれません。
筆で書かれた文字には、生命感がより鮮明に現れる。
だから、魅力的である。
書く作業そのものには、適度な、適切な、技術なりが必要になる。だから、努力もするし、達成感もある。
続ければ続けるほど、愛着が湧く。だから、更にやめられなくなる。
書道の魅力には、そういうものがあるように思う。