書道をすれば、字がうまくなりますよね。つまり、美しい文字を書くことができますよねー?
うーん、これに対して、どう答えましょう。
質問者が中学生以下であれば、
「はい」と、答えます。
質問者が大人であれば、書に対して期待しているものが、書美なのか、単なる一般に言われている美しい文字なのかを問い直します。
最近はやりの美文字を習得したい場合と、趣味として書道に親しむのでは、求める美は異なるように思います。
質問者が、いわゆる「美文字」を求めているのであれば、厳密には、書道ではなく、書写を学ぶことになります。その場合、当然、一般的にいう「美しい文字」を身につけられます。
しかし、書美つまり、書道の芸術的な美しさに魅力を感じておられる方は、ほとんどの場合、一般的な「美しい文字」や「美文字」を求めておられないように思います。その場合は、書道の中でも特に古典を重視して学ぶべきです。
書道と、一言でいっても実は範囲が広く、様々な誤解が多く、あまりそこまでのことを学ぶ機会に恵まれていない方も少なくなく、説明するのに、いつも注意を払う必要があると感じています。
中学生以下だからと言って、説明しないのもよくないので、運営している書道教室のお稽古に通っている小中学生には、くどいと思いながら、言葉をかえ、タイミングを見計らって、チラッ、チラッと説明しています。