高校生のころ、郵便局で年賀はがきの仕分け作業のアルバイトをしました。
はじめて書道以外でアルバイトをしたこともあり、何をするんだーと、キョロキョロ。
アルバイト初日の終わる少し前に、どんごろすに入れられた大量の年賀はがきが次から次へと作業台の上にあけられていきます。
職員の方が一言。
「年賀はがきは、筆(文字)が多いから、学生さんには、読みにくいだろうなぁ。」
私は、ちゃっかり、一言。
「私、書道やってるから、読めます。」
(若いから言えたのです。今なら、とても断言できません。)
職員さんから、数枚の年賀はがきの宛先、宛名を読むように指示され、差し出された数枚の年賀はがきを読み終えると、その瞬間から、特別席へ移動。
仕分け作業は、とても寒いお部屋で立ち仕事でしたが、移動したばかりのそこは、暖房がきいていて、長時間座っていても疲れにくいように、クッション性の良い椅子がありました。
みんなが読めないと放棄した筆文字。いまの言葉で言えば、美文字です。
行書や草書で美しく書かれた年賀はがきの宛先や宛名を読む作業をすることになったのです。
高校生の私にとっては、難しいものもありましたが、ベテランの職員さんに尋ねながら、仕事をし、また、書道の勉強をさせていただく機会に恵まれました。
今は、昔より機械化が進み、郵便番号でかなりの部分まで仕分けできると聞く。
それでも、筆文字の年賀はがきは、受付期間を過ぎると配達がかなり遅れるように思います。きっと、読める人がへっているのだろうなぁと想像したりする。