先日、自転車で移動中、前から歩いてくる高齢の男性が、つまづいて転んだ。立ち上がる気配がない。私は、自転車を止めて、「大丈夫ですか?」「どこか痛いところありますか?」と、声をかけた。反応はあるが、答えられない男性。近隣のお店の店主が心配そうに、出てきて「救急車呼ぶよ。」といった。
あたふたしているうちに、青年が心配そうに声をかけてきた。
ちょうど小学生の帰宅時間で、そこは、通学路。だんだんと小学生が遠巻きに集まってきた。
待っているときほど時間は、ゆっくり感じられる。ピーポーピーポーが聞こえる。青年が動き出した。小学生に向かって、
「ちょっと、ここ空けて。はい、みんな協力してー。」
小学生は、その青年の言葉に従い、車道と路上で倒れたままの男性までの道をあける。もう一人の青年は、車道へ一歩出て、両手を上げ大きく振って救急車を誘導している。
無事、男性は、救急車の中に運ばれた。救急隊の方々をみて安心した。
これまで、何度、救急の何とか講習ってものを受けたのだろう。何度も講習を受けていながら、こういう場であたふたとしてしまった私自身のことを反省しつつ、二人の青年を思い起こした。なんてさわやかに、小学生や救急車を誘導するのだろう。男性が救急車に乗ったあと、近隣の店主は、みんなに「ありがとう」と、あいさつしている。何も関係がないのに。日ごろは、深く考えていないが、思っているより、人は優しい。もし、倒れていたのが、私自身であっても、その場にいた人は、同じように対応してくれただろう。
そういう場面は、無いほうがいいけれど、いつかまた、そういう場面に遭遇したら、出来ることを出来るだけしよう。青年たちや店主のように、ありたいものだと思った。