書道鑑賞入門

教室活動記録

墨歩展の様子 その1

今年は、年号が変わり最初の展覧会。わざわざと思いましたが、「令和元年」は、必要という意見が多く「令和元年墨歩展」となりました。展示されて作品は、どれも堂々としているのに、そこにいる出品者はどことなく恥ずかしそうに会場内を歩いている。「書道展...
書道鑑賞入門

書道を鑑賞するとは

来月11月1日には、Web書道作品展が更新をむかえます。一年間インターネットを通じて、書道作品を展示し、何度か、閲覧された方もされていない方も、更新されると一度は、目にすると思います。その際、ご自身の作品だけでなく、他の方の作品にも目をむけ...
つれづれなるままに

恩師作品に刺激を受ける 飽きない書作品

書作品の鑑賞を言葉で説明することは、とても難しい。なぜなら、感じるものだからです。鑑賞して、感じとることは、抽象的すぎて、人によっては、何も感じないのかもしれません。書道の場合、人は、作品の前で、「わからない」という言葉を発する方が少なくな...
書の魅力・楽しさ

寧社書作展 行ったよ

先週土曜日、朝から奈良へ行った。年に一度の寧社書作展。毎年、出品者の方々は、こんなに多くの作品を書いて、「よく書くなぁ~時間どこで作ってんだ」と、正直、そう、思います。そう、毎年、思います。(人のこと言えないけれど)やっぱり、好きなんですね...
書道鑑賞入門

作品を鑑賞する

久々の書道鑑賞入門更新になってしまいました。ごめんないさい。来年は、もっと更新できるようにしたいと、思っています。近頃、書道の作品を鑑賞する機会は、あまり多くないかもしれませんね。わが子の書道作品であっても、足を運んで、展覧会場でご覧になる...
書道鑑賞入門

「奥之細道」「奥の細道」「おくのほそ道」

毛筆の書道作品やペン字のお稽古の題材に「奥の細道」を選ぶ方もおられます。国立国会図書館の資料を検索していて、ふと目に留まった「奥の細道」を紹介します。与謝蕪村筆 「奥之細道」上下巻のうち上巻国立国会図書館 奥の細道逸翁美術館蔵 蕪村筆奥の細...
書道鑑賞入門

何紹基(か しょうき)

何紹基(かしょうき)は、清代を代表する書家で、中国はもちろんのこと、日本でも人気の書家の一人です。何紹基の作品で頭に浮かぶのは、行草の「おばけの(ような)書」と、臨張遷碑(りん ちょうせんぴ)ですね。行書の作品画像⇒文化遺産オンライン臨張遷...
お知らせ

書道作品を鑑賞する

書道作品を鑑賞するには、古典と普段から何度も言っておきながら、展覧会実施の都度、「みんなの作品を鑑賞せよ」と言う。矛盾しているように感じられる方もおられるかもしれません。でも、どちらも、必要なんですよね。鑑賞眼の向上を目的として古典を見ても...
書道鑑賞入門

衛夫人(えいふじん)衛鑠(えいしゃく)

衛夫人は、通称で、衛鑠(えいしゃく)という。今、中国版トンイ(韓流ドラマ)とも言われ、「賢后 衛子夫」がテレビドラマ放送されています。今月は、衛子夫(えいしふ)について少し紹介します。『伝授筆法人名』(でんじゅひっぽうじんめい)に、「鍾遥(...
書道鑑賞入門

懐素 自叙帖 (かいそ じじょじょう)

もしかすると、以前にも紹介したのかもしれません。画像は、小さいですが、前半と後半のみ掲載します。懐素の自叙帖の自由な感じは、誰もが憧れるのではないでしょうか。こんな風に筆を運んでみたい。先日、「お手本をよく見る」でも書きましたが、鑑賞眼が低...
つれづれなるままに

感じる漢字

連休中に、東京都美術館に足をのばし、「感じる漢字ー西川寧・青山杉雨・手島右卿を中心に」を観てきた。連休中であったこともあり、会場には、多くの方が観覧されていた。たくさんの作品を前に、色々なことを考えた。この見ごたえは、どこから感じるのだろう...
書道鑑賞入門

柳公権(りゅうこうけん) 顔真卿(がんしんけい)と比較鑑賞

理由は、よくわからないが、日本では、柳公権を学ぶ人が中国ほど多くない。書道のレベルが一定に達すると、伝統的な書の学び方として、私たちは、倣書を繰り返す。(残念ながら、倣書を教えられる指導者が少ないことは、別の問題としてあるが、今日は、そのこ...
書道鑑賞入門

甲骨文字

甲骨文字とは、古代中国で亀の甲や骨で占いをした結果を記録した、現存する最古の漢字といわれています。書道の立場から、これを観賞する力を身につけることは、簡単なことではない。ただ、観て楽しいということは、わかる。これを作品とするためには、文字学...
書道鑑賞入門

黄庭堅(黄山谷) 李太白憶旧遊詩巻

好む書は、その時々で多少の変化があるように思う。私は、同じようなものを好む傾向があると思ってきたが、過ぎた長い時間を振り返ると、変化していると最近感じることが増えた。李太白憶旧遊詩巻(りたいはくおくきゅうゆうしかん)を若い頃は、「いいなぁ」...
書道鑑賞入門

越王勾践剣(えつおうこうせんけん) 鳥書、鳥篆

越の国の王、勾践(こうせん)の剣の文字(下の画像)をご覧ください。釈文 「越王勾(古代字→鳩)践(淺)自作用剣」剣としても有名ですが、文字も魅力的だと思われませんか?甲骨文字から、装飾性を帯びた時代、春秋戦国時代のものです。この文字は、鳥蟲...
書道鑑賞入門

鄧散木(とう さんぼく) 篆刻

これまで書道鑑賞入門では、古典を中心に紹介してきたので、近代の作家作品の紹介は、はじめてかもしれませんね。鄧散木(とう さんぼく)は、1898年生-1963年没の書家であり篆刻かとして知られている近代作家です。彼の篆刻作品の力強さと布字のセ...
書道鑑賞入門

董其昌(とうきしょう)

先日、大阪市立美術館へ行きました。この数年5月には、寧社書作展に足を運び、充実した時間を過ごしていましたが、今年は、きょうほ書院書道展2015と会期が重なり、行けなかったことが原因で、「なんだか物足りない」と、焦ったからです。それでも、あま...
書道鑑賞入門

お休みさせていただきます。

今月の書道鑑賞入門は、展覧会準備の為、お休みさせていただきます。きょうほ書院 福島教室、天満堀川教室の合同書道展約100点の作品を展示します。御来場をおまちしています。5月15日(金)13:00から20:00まで5月16日(土)9:30から...
書道鑑賞入門

書道観賞入門

今日の書道観賞は、いつもと視点を変えて、硬筆書道です。書道には、硬筆書道が含まれます。ただし、硬筆は歴史が浅く、硬筆の古典はありません。だから、硬筆でも臨書をする場合、毛筆と同じ古典を学ぶことになります。古典を硬筆で書くためには、毛筆同様に...
つれづれなるままに

呉昌碩(ごしょうせき)

呉昌碩(ご しょうせき)と言えば、書を学ぶものにとって、一度や二度は、聞いたことがあるだろう。wikipediaには、彼の代表作品画像が並んでいる。合わせてご鑑賞ください。画像 呉昌碩印譜 上海書画出版社発行上の画像は、90年代初めの頃に買...
書のおばけ

書道作品は、読むものか、観るものか。書の不思議

このタイトルは、よく考えるとおかしいですね。今月の書道鑑賞入門の更新は、いつもの古典鑑賞に変わり、書道作品を鑑賞する際に、文字を読むかどうか、つまり、作品の内容について考えてみましょう。書道とは、文字を素材とする芸術である。と、よくいわれま...
書道鑑賞入門

呉熙載(ごきさい)呉譲之(ごじょうし)

呉熙載(ご きさい)は、初め名を廷颺(ていよう)字を熙載(きさい)といっていたが、50才以後、名を熙載(きさい)字を譲之(じょうし)とし、64才からは、熙載から名を譲之とした。私は、呉譲之のシンメトリーに魅せられて、若い頃、「小篆ならこれだ...
書道鑑賞入門

高野切第三種 伝紀貫之筆

高野切は、「こうやぎれ」と読みます。こうやきり、こうやせつ、たかのきり、たかのせつ。大体、このような読み間違いをされた方も少なくないでしょう。高野山に伝えられた切(部分)だから、こうやぎれと読みます。私にとって、高野切第三種は、はじめて習っ...
つれづれなるままに

第45次 雪心会合宿講習会 名跡鑑賞会

先週末に実施された今年の名跡鑑賞会題目は、「中国近代の能書家の書を鑑賞する 呉昌石以降の伝統書法の実践者たち」でした。能書(のうしょ)とは、書がじょうずなこと、またその人。(書道基本用語詞典 中教出版)呉昌石(ごしょうせき)(1844年~1...
書道鑑賞入門

芸術の秋 書道作品を鑑賞してみませんか

書道作品を鑑賞する・・・・・・。そのことを考えるとき、今井凌雪先生がおっしゃっていた1、誰が2、何を3、どのように書いたかが重要になる。このことが、いつも頭をよぎる。1、誰が については、例えば、わが子が、知り合いが、古典・古筆などは特に有...
書道鑑賞入門

張猛龍碑(ちょうもうりょうひ)

私にとって、張猛龍碑は、臨書するたびに印象がかわる古典のひとつです。まだ学生のころ、たまたま部室にあった名品叢刊からを手に取ったのが、張猛龍碑だった。手に取ったので、臨書してみた。はじめは、思い入れもなく、楷書であったこと、当時、縦長の造形...
書道鑑賞入門

趙孟頫(ちょうもうふ) 赤壁賦(せきへきのふ)

今月は、すでに宣言した通り、趙孟頫(ちょうもうふ)の赤壁賦(せきへきのふ)をご紹介します。台湾故宮博物館美しいですね~。多くの方がそう思うのではないでしょうか・・・・・。先日、時間ができたとき、久しぶりに赤壁賦を臨書し、夢中で臨書したことも...
書道鑑賞入門

眞草千字文(しんそうせんじもん) 智永(ちえい)

智永(ちえい)は、王羲之(おうぎし)七世の孫にあたる。眞草(以下 真草とする)とは、真書と草書のことで、真書とは、現在の楷書のこと。千字文は、千文字を一字も重複することなく、四字一句、250句からなる四言古詩である。中国のみならず、朝鮮、日...
書道鑑賞入門

争坐位文稿(そうざいぶんこう) 顔真卿(がんしんけい)

争坐位文稿(そうざいぶんこう)は、争坐位稿(そうざいこう)としても、広く知られています。下 写真 中国書法名品展図録より顔真卿(がんしんけい)の楷書として、顔勤礼碑を紹介しました。顔勤礼碑の記事今回は、顔真卿の行書です。様子が随分違いますね...
書道鑑賞入門

爨宝子碑(さんぽうしひ)

爨宝子碑(さんぽうしひ)は、大亨四年(西暦405年)に建てられたものです。書道史に詳しい人は、楷書が完成されつつある時期だとわかるでしょう。下 写真 二玄社 中国書法選 19より 楷書が完成されようという時代に、楷書の筆使いの基本である三過...