書道教室を始めた頃(20年前)、
大人の方は、ご自身の道具の方が良いだろうが、
子供たちに書道道具を持参してもらうという考え方が、私には、なかった。それは、子供の頃、私自身が通っていた書道教室では、レンタル用の道具を使わせてもらっていたからです。
約5年前、福島教室会場などの都合もあって、場所を現在の上福島コミュニティセンターへ移転するにあたり、レンタル道具を用意することが難しくなり、各自、書道道具一式を持参してもらうことになった。
小さい子供にとって、書道道具は、決して軽くはない。最近の書道道具は、軽量化されたにしても、子供たちに持参してもらうことに対し、心苦しく思うこともあった。しかし、反応は、私の予想と全く逆だった。
書道道具を手に教室に通ってくる子供たちを見ていると、
「道具をどのように手入れするのか?」
「道具は、どうのようにできているのか?」
「素材は何か?」
「どのような作り方なのか?」
子供たちの興味、関心は、限りがない。
園児であっても、自分のものは、自分で片づける。
単純だが、大切な習慣を身につけていく姿に、感動することも多かった。
墨のついた硯をどのように片づけるのか。
墨のついた筆をどうすれば、次に書きやすい状態で手入れできるのか。
当たり前のことを当たり前に、手を抜くことなく、繰り返さなければ、道具は、どんどん傷んでしまう。
今では、書道教室でレンタル道具を準備していた頃に通っていた子供たちに、伝えねばならなかったことを伝えずにいたのではないかと、
反省することもある。
当時の小学生は、今は、立派になり、
教室に来て、彼らから、様々な感想を聞く。
中に、
「昔は、(道具は、筆と墨汁だけで)楽だった」
と、いう声もあるが、学校とは、別に自分の道具が持てることをうれしくも思うらしい。
どちらがいいという話ではない。
自分の道具をどのように手入れすれば、良いか。
そんな話を書道教室でするには、自分の道具を使っていることが望ましいことは、確かである。
全体的に、
書道道具を手入れし、きちんと収納できる子ほど、文字のおさめ方が上手な傾向がある。
なぜだろう。
書道は、文字のおさめ方だけではない。
しかし、点画を上手におさめることで、美しい文字になりやすい。
美へのこだわりでしょうかねぇ~。