字形とは、文字の形のこと。
これは、書道を学んでいるか否かに関わらず、多くの方が見分けることが出来る。
これに対し、線質とは、文字の点画の線の質のことだが、
これは、書道を学んでいても、なかなか理解できず、
見分ける眼を持つまでには、相当の習練を積む必要がある。
書道を学んだ経験がある方は多いが、
多くの場合、線質を見て区別したり、
理解することが難しい為、
書道作品を評価する際に、字形のみで評価しがちである。
線質の違いをどうすれば、言葉で伝えられるだろうか。
と、私は、いつも、考えているが、言葉に出来ないのが現実である。
教室では、出来るだけ、良い線を見た際に、
「この線がいい」と、伝えるように努めているが、
そう、聞いても、みんな、
不思議そうな目で私の顔を見ている。
しかし、時間がかかるけれど、
だんだん、伝わっていると実感することもある。
こんな風に運筆したときに、
「線質がいい」と、言ってもらえた気がする。
などの言葉が返ってきたり、
うなづいている姿を見ていると、
ほっとする。
そうして、だんだん、理解して書ける力がつくと、
より書を鑑賞できるようになり、
同時に書く力がつくからです。
また、共に書を学び楽しむことが出来る分野が増えると、
私も楽しく、やりがいを感じる。