先週末に実施された今年の名跡鑑賞会題目は、「中国近代の能書家の書を鑑賞する 呉昌石以降の伝統書法の実践者たち」でした。
能書(のうしょ)とは、書がじょうずなこと、またその人。(書道基本用語詞典 中教出版)
呉昌石(ごしょうせき)(1844年~1927年)は、篆刻家として異常な才能を発揮し、清朝のしんがりとして適する者はないが、篆書においても独特な作風を樹立した。(新訂『書の歴史 中国編』 伏見忠敬著 筒井茂徳補 二玄社)
書道史を学んでおられる方は、よくわかると思いますが、呉昌石以降、書は、どのように変遷しているのか、紹介されることが非常に少ない。
雪心会理事長、筑波大学教授、中村伸夫先生による講義は、今年も充実したもので、
御所蔵の能書家作品を解説付きで鑑賞する機会を得た。
今井凌雪先生は、鑑賞眼を養う必要性、重要性を繰り返し、おっしゃっていたが、中村先生からも、同様に眼高技低についてのお話があり、納得!!!!
眼高技低(がんこうぎてい)とは、私なりの解釈ですが、書を学ぶ上で、鑑賞眼を高くしなければ、よい書(書の技術を含め)を書けるはずもない。腕を磨くには、まず、眼を高める必要があるということ。つまり、眼を高めていなければ、良い書のよさを理解することも出来ず、書を学ぶこと、その技術を学ぶことももできないという意味でしょう。
今井凌雪先生がおられたからこそ、共有できたこの時間に、今年も感謝。