「書道の作品を書こう。」
「書きたい。」
と、思いはじめると、
私の場合、書きたくて書きたくて仕方がない。
そんな瞬間がときどきある。
もちろん、○○展のため、依頼を受けて等、
考えているうちに、頭の中に文字が浮かんできて、
書きたくなることも、ある。
また、何でもないことがきっかけになることもある。
例えば、
散歩していて、目に飛び込んできた何らかの文字がきっかけになったり、
友人知人とカラオケをしていて、歌詞がきっかけになることもある。
また、今なら、季節から紅葉だが、
日常の感動から、得られるパワーがきっかけになることもある。
好きな焼きもの、食器、美しく盛られた料理など、
きっかけは、様々。
私は、無性に、筆を運びたくなる時、その気持ちのままに筆を運ぶ。
翌日、冷静になって、墨の跡を観てみると、なんでもない。
「あれー?」と、期待はずれのこともあれば、
「まぁまぁ」と思っていたはずが、
数日すると、「あちゃー⤵」反省しなければならないこともある。
それでも、私は、そういう気持ちは、大切だろうと思っている。
自分自身の中での高揚感を利用した表現は、
常々、あーだこーだと考えて、集字し、倣書して作品を書くときには出せないものがあるように感じる。
もしかするとそれは、自己満足の世界なのかもしれないけれど、
たまには、そういう作品もいいんじゃないのって、
自己矛盾を抱えながら、個展にむけて、保存することもある。
何かに夢中になる。
意欲をもって、取り組むものがある。
それだけで、案外、
「幸せだなぁ~」と、実感することもある。
書道における創作は、書道経験、レベルにより、
捉え方は、
様々であるが、
難しいものであるに違いはない。
誰もが悩み、頭を垂れて、考え込んでしまいがちである。
だからこそ、時々訪れる、どうしようもなく、書きたくなる瞬間を大切にしていたいと思う。