幼児期に文字を習うことは、知的でかつ文化的生活を身につける第一歩です。
私は、以前より、子供がはじめて文字を覚えるには、どうしたら一番効果的だろうかと、考えている。
幼稚園児や保育園児にとっては、やはり、その子供たちそれぞれに異なる。それでも、多くの子供たちに当てはまる効果的方法は、何だろうが・・・。
これまで、幼稚園児や保育園児のお稽古を見ていて、実感していることは、はじめから、手書きの文字で習い、好きな言葉を自分で書けるようになる喜びを実感させることが、一番効果的だと思います。
つまり、
①ひらがなやカタカタを覚える段階で、美しい手書き文字で覚える。
②興味関心のある分野の言葉を選び、それを書く。たとえば、動物が好きなら、「いぬ」「ねこ」「うさぎ」「ライオン」などの文字を書く。
しかし、残念ながら思っているより、簡単なことではありません。
なぜなら、手書き文字を入手することは、昔より難しくなっているからです。ひらがなやカタカタを習うための本やおもちゃのひらがなやカタカタは、ほとんどが手書きの文字ではなくなってしまいました。
自身が運営している書道教室では、4歳児、5歳児、6歳児のお稽古で、時間のゆるす範囲で、できる限り、園児たちの目の前で鉛筆を正しく持ち、お手本を書く。園児たちが自宅でも、自主的に書けるように提供しています。
そうすると、本当に早く、文字を上手に書けるようになります。もちろん、そこには、各ご家庭でのサポートと、字を書くことに対する理解が必要です。「早く」と、私自身は、思っていますが、保護者の方の「早く」と同じスピードとは限りません。それでも、両親や祖父母に宛てて、手紙を書いたり、好きな昆虫の名称をノートに書いたりして、園児たちは、あっという間に文字を書く習慣を楽しく身につけているように実感しています。
書道とは、本当に不思議なもので、長い年月の間、多くの人が繰り返し学んでいます。書道という伝統的文化の力は、多くを語らなくても、当然のように、園児たちに愛情をそそぐ周囲の大人たちの理解は深いように思います。園児たちは、書道を通じて、周囲の大人たちの深い愛情も受け止め、育まれているように感じています。